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躁うつ病は、内因性の精神障害の代表であるのに対し、それよりも症状が軽く、環境の変化や性格に強く影響されるうつ状態を「抑うつ神経症」といいます。心因性の神経症(ノイローゼ)の一種です。うつ病とは異なり、多くの場合、誘因がはっきりしています。
仕事の失敗や夫婦関係のあつれき、あるいは経済的問題など、環境的な要因が発病に大きく関係しています。ただし、環境だけですべてが説明されるわけではなく、性格的な要因も大きいとされます。
他人に依存的で、現実認識が甘い人、ささいなことで失敗を恐れ、ちょっとした失敗で自分はもうだめだ、と決めつけてしまうタイプに人がかかりやすいと言われます。
うつ病と比べて症状は軽く、悲哀、不安、焦燥感などの症状が慢性的に続くうつ状態をいいます。
うつ病と違い、強度の睡眠障害や、日内変動(朝方に症状が重く出て、夕方から夜にかけて軽くなるという症状の変動)は、ほとんどみられません。
また、自殺願望もうつ病と比較すると少ない、あるいは軽症です。
治療には、なぜうつ状態になったのか、その構成要因の分析から入ります。そのうえで大まかな治療プランを立てて行きます。精神療法が用いられることもあります。抗不安薬や、少量の抗うつ薬が併用されることもありますが、それによってうつ状態は一時的に回復しても、発病の根本的な理由をチェックし、それに対処しないことには根本的な地改善は望めません。
本人の生活環境の調査、調整は不可欠です。
精神病(神経症も含めて)の治療には、抗うつ薬や抗不安薬といった薬による薬物療法以外に、催眠カタルシスや自由連想法、精神分析療法、といった精神療法による治療が行われることがあります。
さまざまな精神療法
●催眠カタルシス
精神療法のひとつで、睡眠による暗示によって神経症の改善を図るものです。睡眠療法とも呼ばれます。過去の体験が原因となっている、葛藤や感情を表に出すことによって、こころの緊張を解くものです。
●精神分析療法
治療をする人との信頼関係を通して、こころの底にある無意識の葛藤など、問題をチェックし、浮かび上がらせることで、不安やコンプレックスなどの障害を取り除こうとする精神療法です。
フロイトによってはじめられた治療方法です。現在、最も多く用いられているものの一つです。
●自由連想法
精神分析療法のひとつとして、フロイトが編み出した治療法です。
こころに浮かぶことを何一つ省くことなく、そのままの順序で報告することによって、本人が気づいていない無意識下でのこころの動きを探ろうとするものです。
たとえば、神経症のひとつに、ヒステリーがあります。他人の目にふれるところで起こるのが特徴で、突然倒れたり、健忘を起こします。これには発病することで自分の社会的な立場を有利にしたいという願望があるといわれます。ヒステリーは、かつては女性特有の神経症のひとつとされていましたが、現在では男性にもみられます。ヒステリーの場合、催眠カタルシスで感情の発散をはかる暗示療法や、自由連想法による精神分析法が用いられることがあります。
躁うつ病や統合失調症(かつては、精神分裂病と呼ばれていた疾患)は、はっきりとした原因がわからず、精神医学の世界では、内因性の疾患として分類されます。それに対してもう少し症状が軽く、心理的な要因(環境が重視されます)による心の不調を、心因性疾患(神経症(ノイローゼ))と言います。
さらにもうひとつ、頭部外傷後遺症や脳炎後遺症といった、脳の物理的・化学的な外傷が加わったことで起こる病気を「外因性疾患」といいます。
このなかには、アルコールや睡眠薬などの薬物中毒や、内分泌障害などによる精神障害も含まれます。
●器質性精神障害
脳血管障害など、脳の器質的疾患や頭部外傷が原因で起こる、うつ状態や、せん妄、幻覚・妄想、興奮、ちほうなどの精神状態を「器質性精神障害」と呼びます。
脳に外傷を負うと、脳震盪(のうしんとう)による意識障害がみられることがしばしばあります。この状態が長くなると、回復したあとも、めまいや頭痛、うつ状態などの自覚障害が継続することがあります。
器質性精神障害の治療は、症状によって薬物療法(抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠薬、など)が用いられます。最近は、脳代謝改善薬や、神経伝達改善薬、さらに漢方薬を用いることもあり、効果が認められつつあります。
ただし、アルツハイマー型ちほうや脳血管障害型のちほうの場合、進行を食い止めるのが困難になります。早めの診断、治療の開始が必要です。