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躁うつ病の年代別のピークは、20歳代です。そして30歳代がこれに続きます。その一方で、40歳代~50歳代にも多くなります。ただし20歳代は、双極性躁うつ病(うつ病相と躁病相が交互に現れるタイプの躁うつ病)が多いのに対し、40歳代~50歳代は、うつ状態だけが現れる単極性うつ病が多いのが特徴です。
この年代の躁うつ病を、「初老期うつ病」と特別に呼びます。初老期うつ病以外にも、年代に特徴的な躁うつ病があります。
たとえば、初老期よりももっと年代が進んだ、「老年期」のものもあります。65歳以上の人の場合です。老年期に入ってくると、うつ状態になることが少なくありません。65歳以上の老人では、約3パーセントにみられるということから、決して少ない数字ではありません。
原因は、内因性うつ病、抑うつ神経症などの心理的要因からくるものがあります。一方、脳血管性痴呆や、老年痴呆など、脳の器質的疾患からくるものもあります。原因はさまざまなので、その疾患をとにかく早く突き止めることが大切です。それによって治療法も変わってくるからです。
また、女性の場合は、「更年期うつ病」もあります。月経閉止期だけにうつ病相があらわれるものです。女性の性機能に関係したホルモンの変化が発病の原因になっていると推定されます。
身体的な不調(いわゆる「更年期障害」)が、影響していることもあります。身体的な症状のチェックも大切です。
女性ホルモンの変化による症状としては、出産後のうつ病もあります。
20歳代に発病のピークを迎える躁うつ病ですが、40歳代?50歳代にもかなりの人が、特にうつ状態だけの「単極型うつ病」を多く発病しています。
その引き金となる主なものに、「身体的要因」があります。身体の老化、体力の低下、その他、高血圧や脳血管障害、白内障、パーキンソン病といった慢性的な難治疾患です。
またもう一つの大きな要因が、社会状況的要因です。退職、引退、子どもの就職や結婚による「役割の喪失」、配偶者との死別、経済的・社会的地位の低下、などです。
そして身体的要因と社会状況的要因が基盤となっていることもあるのですが、「心理的要因」もあります。生きがいを失ってしまった、孤独、不安、目標の喪失、です。
しかし、加齢による身体的な衰えは、誰にでも訪れるものであり、それだけがうつ病の原因とはなりません。
初老期うつ病になる人に特徴的な要因としてもうひとつチェックしておきたいのは、性格です。執着気質(しゅちゃくきしつ)という性格的な特徴です。
何事も完璧でなくてはならない(完璧主義)、凝り性、きちょうめん、強い責任感をもつ人たちの性格です。このような性格をもつ人は、肉体的、環境的な変化をうまく受け入れることができず、順応できないままに、かつての生活を維持しようとし、でもうまくいかず、それで気分が落ち込んでしまうのです。
初老期うつ病の特徴的な症状としては、不安感や焦燥感の強さがあります。絶望にとらわれ、被害妄想的になります。身体的な変化が現れる時期と重なることもあり、身体へ関心が向くことから身体的不調を強く訴える傾向もあります。
躁うつ病の発病年齢(初めて症状が現れた年齢)は、20歳代が最も多く、次に30歳代へと続きます。しかし、近年注目されているのが、子どもの発病と、40歳以後の発病です。40歳以後の発病を特に「初老期うつ病」と呼ぶことがあります。
躁うつ病には、躁状態とうつ状態が交互に繰り返される「双極型躁うつ病」と、躁状態とうつ状態のいずれか一方が単独で現れる「単極型」(「単極型躁病」と「単極型うつ病」)があります。20歳未満の場合は、双極型が多く、30歳代以後では「単極型」が多くなります。ただし「単極型」という場合、ほとんどがうつ状態だけのパターンで、「単極型うつ病」です。
40歳代~50歳代の初老期に発病する「初老期うつ病」は、「単極型うつ病」です。40歳代~50歳代というと、男女ともに身体的な衰えが顕著になりはじめる時期であり、社会的にも重要な地位に就いたり、子育てがひと段落ついたり、といった変化が多く、それが引き金となってうつ状態に陥るケースが多いようです。
原因がはっきりしない単極型うつ病が多いなかで、初老期うつ病は、こうした身体的変化・不調や、社会的・環境的変化の影響が大きいことが特徴です。
たとえば、今まで何でもなかった階段の上り下りがきつくなったり、老眼が始まったり、と、年齢の衰えがいやがおうにも現実となってきます。
また、精神的負担ではあったものの気持ちに張りをもたせてくれていた子どもの受験や、結婚、就職、あるいは自分自身の昇進や配置転換といった環境の変化がうつ病の引き金となることもあります。